知識インプット講義は、講義時間が約2時間、講義の中でブループリントのキーワードを中心に説明をしていきます。第1回公認心理師試験の問題を参考に、どのようなところを押さえておいた方がよいのかを説明します。
例えば、第1回公認心理師試験(平成30年9月9日実施分)の問6の系列位置効果の問題です。系列位置効果は、ブループリントのキーワードには挙げられていませんが、短期記憶に関連するキーワードとして出題されています。つまり、短期記憶のことだけを学習していても解答するための知識は得られません。
ここで、2018年知識インプット講座の知覚・認知心理学のテキストから引用します。
系列位置効果(serial position effect)とは、一定の順序で与えられた情報の系列位置によって、情報の貯蔵、及び検索のされやすさが異なることを指す。系列位置効果を示す実験に自由再生法の実験がある。
自由再生法とは、例えば、「時計、電車、新聞…」というように、10~15語ぐらいの簡単な単語を1語ずつ一定の速度で提示し、提示された単語を思い出した順に再生させる方法である。このような実験を行うと、単語の提示された系列位置によって再生率の差異が生じ、リストの初頭部と終末部の単語の再生率が高くなる。このように、系列の初頭部の再生率が高くなる現象を初頭効果(primacy effect)と呼び、系列の終末部の再生率が高くなることを新近性効果(recency effect)と呼ぶ。
一方、リストの提示後10~30秒程度のインターバルを挿入し(この間は簡単な計算作業が課される)、その後に再生を求めると、系列位置曲線に影響が生じる。リストの初頭部、及び中央部の再生率は影響を受けないが、終末部の再生率は低下し、新近性効果が消失してしまう。
図.系列位置効果(森敏昭ほか:グラフィック認知心理学 p.19 サイエンス社 による)
これは一例ですが、テキストを基に学習していただければ、問6系列位置効果の問題を解答することができます。このように、科目ごとに当塾の担当講師が作成したテキストを基に、押さえておくべきキーワードの解説を行っていきます。